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負の連鎖を断ち切るには

9年前に投稿した記事です。現在DV・ストーカー加害者プログラムは毎週9クラス開催し、150人前後の加害者が更生しようとステップのプログラムに参加してます。改めて紹介いたします。
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いのちのことば社が発行している小冊子、「いのちのことば」の巻頭言 「時代を見る眼」に「加害者と生きる社会」を3回シリーズで理事長が寄稿してます。2月号に「負の連鎖を断ち切るには」が掲載されました。

「負の連鎖を断ち切るには」  栗原加代美
DV加害者更生プログラムを始めて3年になる。
相談に見えるDV被害者の妻たちの半数以上が抑うつ状態にある。
自傷行為を繰り返し、自殺を考える人も多い。
愛を誓い合い、子供までもうけた夫から叩かれ、無視され、「おまえは能なしだ、妻失格だ、母親失格だ、死ね」と怒鳴られ、自分も夫も信じられなくなる。
自分が悪いから夫がなぐるのだと自分を責める。
夫におびえ、自分の意見が言えなくなり、離婚を決断して逃げる妻も多い。
これが夫からDVを振るわれた妻たちの実態である。 

このような妻たちが夫に変わってほしい、自分にできることはあるのかと悲痛な叫びと共に加害者プログラムに相談に訪れる。
そして夫が変わることを忍耐してひたすら待つ。

その中のあるものはDVを受けたストレスを子供に虐待という形でぶっつける。
虐待された子供は学校で友人にいじめという形であたる。
それでは大元のDVを振るう夫たちはどこからDVを学んでくるのだろうか。

DVの本質は暴力行為そのものでなく「日常化した力と支配の主従関係」にある。
妻が「奴隷化」することである。
さらに相手が言うことをきかなければ叩いていいという「暴力容認意識」。
これらの歪んだ価値観は社会のそこかしこにある。
父親と母親、親と子供、上司と部下、教師と生徒、部活の先輩と後輩等。
そう考えるとDV加害者も社会からの被害者であるかもしれない。
しかし、加害行為は複数の選択肢から選んだ彼らの責任である。

DVの問題は、個人の問題でなく、社会全体の問題として捕らえたい。
ステップの加害者プログラムで連鎖を立ちきりたいと中学三年生の男子生徒が訪れ、プログラムに通ったケースを紹介したい。
父親が母親にDVをふるい、母親が彼を虐待し、彼が妹に虐待をしていた。更に学校でもいじめのリーダーとなっていた。
父親がプログラムに参加してDVが改善して家族に笑顔が戻り、彼もどうしたら虐待やいじめをやめられるのかと通い始め4ヶ月ほどで虐待やいじめから解放された。
連鎖を立ちきりたいと気づき、行動に移した彼に拍手を送りたい。

このケースに見られるようにDVの連鎖を断ち切るためには、DVだと気づいた夫たちが支配することを止めて「互いを尊重する関係」の素晴らしさを身を持って子供たちに伝えることがDV根絶の大きな力になると信じている。

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# by npo-step | 2023-01-26 10:29 |  これからの活動予定

1月23日、TBS.TVの「ひるおび」「福岡.博多、女性刺殺事件から一週間」の番組にステップ理事長が出演しました。(以下番組の内容です)
番組の中で理事長はストーカーは加害者が変わらないと解決はない。
加害者に警察から接近禁止命令が出されても、被害者には警察が被害状況など定期的に聞き取りは行っても、加害者には警察による監視や聞き取りなどは基本的にない状態です。そのため
2021年11月、北九州の女性は禁止命令12日後に殺害
2022年1月、三重県四日市では11日後刃物で刺される
2022年12月福岡.春日市では翌日刺される
など多発して現行のストーカー規制法では限界があります。
ストーカー被害者を守るだけでなく、並行して加害者の更生、意識を変える、感情や思考のゆがみをコントロールする専門のプログラムが必要です。
ステップでは、2011年からストーカーやDV加害者を対象としたプログラムを開始し、現在毎週150名前後の加害者が9クラスに分かれてグループワークを行ってます。これまで1500人位の加害者が参加して8割が更生してます。
ある参加者は親しいと思っていた女性にストーカー行為を繰返し2度も逮捕されました。自分は不幸なのになんで相手は幸せなのか。なんで自分はこんな目に会わなくちゃいけないのと思い、強制的に仲直りしたいと接近、そして・・、
ステップのグループワークの学びの目標は、
1.アンガーマネジメント(怒りのコントロール)
2.相手に思いやりをもって接する
3.いかに自分が幸せになるか
「自分本位」の考えから「相手を尊重する」という考え方に変化して、思考のゆがみを矯正していく。
人間関係を変えるのに、圧力や恐怖では人は変わらないと学んでいきます。
プラスの思考で感情をコントロールして「依存したい、支配したい」という考え方を変えていくことが重要です。
ステップでは選択理論を用いて、人が行動するときの働きを車の4つの車輪に例えて、前輪の思考と行為の考え方をポジティブにすれば、」後輪の感情(怒り)と体調(生理反応)の思いは抑えられると、52週かけて学んでいきます。
理事長がTBS「ひるおび」に出演_b0154492_16374582.jpg

# by npo-step | 2023-01-24 16:43 |  これからの活動予定

スタッフ募集中


ステップではスタッフ&ボランティアを随時募集をしております。 
DV加害者更生プログラム、DV被害者支援、面接相談、研修会の支援や講師などをして頂きます。

条件
・DV加害者更生プログラムのカウンセリングに関心のある方
・DV被害者支援、カウンセリングに関心のある方
・パソコンの操作(word  Excel PowerPoint zoom)等がある程度出来る方
40歳以上の男性・女性の方
・私たちの活動に賛同し、選択理論の基礎講座以上を受講された方、
  又は受講を希望される方
・年会費1万円を払い、正会員になっていただける方
・毎月・第二火曜日開催のスタッフ会議に原則参加可能な方

※ 一番大切なのは常に利用者の味方である姿勢です。

ご興味のある方はお気軽にご連絡ください。
連絡先 npo-step@a01.itscom.net

# by npo-step | 2023-01-10 17:23 |   スタッフ募集


「新刊の紹介」

新刊名 : 「DVはなおせる」~加害者・被害者は変われる~
出 版 : 「さくら社」
著 者 : 栗原加代美
定 価
: 本体 ¥1.500円+税
ご購入はこちら
 

ステップが更生プログラムを初めて12年目になります。
その活動内容が本として出版される事になりました。
著者は20年以上DV被害者・加害者に関わってきた、ステップ理事長・栗原加代美です。
本の題名は「DVはなおせる」出版社は「さくら舎」9月10日に全国の書店から発売されました。
是非お求め頂きまして、ご感想をお寄せください。

目次
プロローグ ~DVはやめられる~
第1章 あなたの夫婦関係がよくない原因はDV?
第2章 なぜDVは生まれるのか――加害者の実態
第3章 なぜDVから逃げられないのか――被害者の状況
第4章 DVをなおすプログラムの基本
第5章 パートナーといい関係を築く方法 (248P)

著者の言葉
DV被害者保護シェルターの運営を通して、私は「逃げなさい、別れなさい」では解決しない、
被害根絶のためには加害者を減らす取り組みが必要だと強く思いました。
「逃げるか、別れるか」という選択肢に、
もうひとつ「加害者に変わってもらう」という選択肢を加えたいと考えたのです。
加害者がDVをやめれば、ともに築き上げてきた家庭を失わなくてすみます。
加害者が変わることは、被害者のためでもあり、加害者自身のためでもあります。
加害者が変わることで家庭という安らぎの居場所を得ることのできた被害者は、
DVによって失った自分らしさや自信を取り戻し、生きなおすことができるのです。
DVはなおせる、出版のご案内_b0154492_13230413.jpg

# by npo-step | 2022-12-29 14:00 |   出版書籍のご案内


「DVからの家族再生」

DV被害を受けた女性のシェルターを運営してきた、女性・人権支援センター「ステップ」理事長・栗原加代美は、被害者が安心、安全に過ごすために、加害者の真の更正が必要と考え、2011年から選択理論を用いた更正プログラムを立ち上げました。

参加者は、52回の学びを通して、8割以上が悔い改め、「変わりたいと決意した時から、更生までの体験談」と、栗原加代美氏が「参加者にどう関わってきたか」をこの本で紹介しています


「新刊の紹介」

新刊名 : 「DVからの家族再生」~加害者が変わる5つの条件~
出 版 : 「いのちのことば社」
著 者 : 栗原加代美
定 価 : 本体¥1300円+税

ご購入はこちら

目 次 :

・はじめに
・被害者支援と加害者更生はDV解決の両輪
・DV加害者6人の再生体験
・コラム グループワーク見学ルポ
・取材後記 怒りをどうコントロールするか?
・新しい人生に向けて
・巻末付録 怒りをなくす魔法の言葉

怒りの正体は傷つきです。人はみな、傷つきやすい弱さをもっています。

相手の言動をプラスに解釈することによって、怒りは消えます。

怒りのコントロールが上手くいかない、どうしたら怒りなく、パートナーと良い関係が築けるのか、
それを知りたい方にぜひ読んで欲しい1冊です。

「はじめに」より
「DVからの家族再生」新刊紹介_b0154492_22531170.jpg

# by npo-step | 2022-12-29 13:43 |   出版書籍のご案内