ステップのDV加害者更生プログラムに52週参加された、Aさんから体験談を頂きました。
掲載の同意を頂きましたので、原文のままご紹介いたします。
【ステップ体験談】
♦はじめに
● ステップに来るまでに何をしてきたか
● 何を学んだか
● どう変わったか
♦ステップに来るまでに何をしてきたか
● 妻に対して
○ 「何もわかっていない」、「何もできていない」という否定
○ 口で言ってもわからない:たたく、ける、土下座させる
○ 無視する
○ お金を渡さない:経済的DV
● 子供に対して
○ 思い通りにならないと声を荒げる、力で従わせようとする
○ 妻に対する暴言・暴力を子供の前で行う:面前DV
【自分の思い通りにならないと、怒りで妻や子供を変えようとする
間違った考え方をしていた】
♦ステップに来るまでに何をしてきたか
● 私のしてきた悪い習慣
○ 正しい病:~~であるべき、ちょっと考えればわかるはずだ
○ 関心がない、決めつけ:どうせ~~なんじゃないか、きっと~~だろう
○ 怒りにすぐ反応する:やられっぱなしは損
○ 共感できない:正しい病+決めつけ
○ 上から目線:わからせよう
♦何を学んだか
● 5つの基本的欲求
○ 愛・所属、力、自由、楽しみ、生存
○ 自分自身で満たす必要がある
● 上質世界
○ 願望、大切にしていること
○ 相手は変えられない、相手の上質世界は表に出てこない(傾聴が重要)
● 行動の選択
○ 自分と相手の行為、思考、感情、生理反応から行動を選択している
○ 相手の思考や感情に寄り添い、自分の行為を変える
○ 自分の感情や生理反応のみに着目しない
● 怒りの原因
○ 現実と自分の上質世界とのギャップ
○ 自分の基本的欲求を相手に満たしてもらおうとする(依存)
【この学びが大きな転機】
♦何を学んだか
● 私は自分の基本的欲求を妻や子供に満たしてもらおうとしていた(=依存)
○ 基本的欲求は自分で満たすもので他人に満たしてもらうものではないことを学んだ
○ そうであっても、他人に基本的欲求を満たしてもらえることもある
それは「ありがたいこと」であり、自然と感謝につながるということを学んだ
○ 私は自分の基本的欲求を自分自身で満たせるようになり、さらに相手の欲求充足支援ができるようになりたい、と考えるようになった
♦何を学んだか
● 私は相手が私を怒らせる行動をしていると考えていた
自分なら選択しない行動をしていることはおかしいと考えていた
○ 怒りを選択しているのは自分であることを学んだ
○ 相手は最善の選択をしていることを学んだ
○ 怒りは自分の感情と相手の行為のみに着目していることが原因であることを学んだ
○ 相手の表に出てこない思考や感情を以前は知ろうとしていなかったことに気づいた
○ 相手の最善の選択をした背景(理由)を知ろうと考えるようになった
♦何を学んだか
魔法の言葉
● どうしましたか 状況を聞く
● どうしたいですか 願望を聞く
● どうしますか 解決方法を聞く
● 聞くことで、相手も私もすっきりする
○ 最高のアドバイスは自分の体験談ではなく相手自身が持っている
○ 私は相手のことを知らない、相手は自分自身のことを私より知っている
♦どう変わったか
● 怒りがほとんどなくなった
○ 基本的欲求を満たすのは自分自身、相手に満たしてもらうものではない
相手は最善の選択をしている、相手の選択の根拠を私はよく知らない
相手は変えられない、変えられるのは自分の選択と願望
そう考えると、怒る理由がなくなった
○
● 自然と感謝できるようになった
○ 本来自分で満たすべき基本的欲求の充足支援を他人からしてもらえる=ありがたい
○ できるだけ相手の欲求充足支援をしようと考えるようになった
(ほめる、肯定する、傾聴する。。。)
● 怒りがほとんどなくなった
○ 基本的欲求を満たすのは自分自身、相手に満たしてもらうものではない
相手は最善の選択をしている、相手の選択の根拠を私はよく知らない
相手は変えられない、変えられるのは自分の選択と願望
そう考えると、怒る理由がなくなった
● 自然と感謝できるようになった
○ 本来自分で満たすべき基本的欲求の充足支援を他人からしてもらえる=ありがたい
○ できるだけ相手の欲求充足支援をしようと考えるようになった
(ほめる、肯定する、傾聴する。。。)
♦どう変わったか
● 仕事が少し楽になった、会社で同僚・後輩との関係が改善した
○ 以前は自分の考え方が正しいと押し付けているところがあった
正しい方法を教えるために、情報収集し、対策を考えて、論理立てて説明したため、
仕事でとても疲れていた
○ 私は私が経験してきたこと以外は知らない、相手は私が知らないことを知っていることが選択の違いにつながっていることに気づいた
相手が知っている背景、願望を傾聴することで、解決策は自然と出てくることを実感した
● 顔の筋肉?の痛みが和らいだ
○ 表情が少しよくなったからか、軽くなったと感じる
♦おわりに
● ステップに来る機会を与えてくれた妻と子供に感謝します
○ 私の怒り行動であなたを傷つけてしまい、本当に申し訳ありませんでした
○ 私の暴言・暴力でとてもつらい思いをしたにもかかわらず、
更生のきっかけをいただき大変感謝いたします
● ステップのスタッフ、参加者の皆様に感謝します
○ 私はステップに通うことで、私の暴言・暴力・怒りの原因に気づくことができました
私の気づきはスタッフの皆様、参加者の皆様とのディスカッションにより徐々に得ることができたものです。これまで参加させていただき、本当にありがとうございました
○ 栗原理事長と出会えたことが、私の思考と行動の転機になりました
深く感謝いたします。よりよい現在と未来にできるように、これからもステップで学んだことを土台として、よい習慣を身に着けていきます
被害者が「逃げる」のではなく、加害者に「変わってもらう」という選択肢を。
加害者更生プログラムを行う「ステップ」
身近な人を大切にするって、どうしてこんなに難しいのだろう。
頭では「やさしくありたい」と思っているのに、いざその関係性のベールのなかに入ると、噛み合わず分かり合えない「もやもや」が次第にかさを増していく。
それでつい口に出してしまうのだ。相手が傷つくと分かっている言葉をわざわざ選んで。
けれども、冷静になって気付く。私があのときしがみついていた、自分の思い通りにしたいという「願望」は、相手との関係性を上回るほど大事なものだったのだろうかと。どうして怒る代わりに、その裏にある「悲しい」「寂しい」という気持ちを素直に伝えられなかったのだろうかと。・・・・
続きは、掲載内容へ
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10月22日、千葉県社会福祉協議会主催の、「令和2年度母子・父子自立支援員、婦人支援員」研修会が開かれ
1、DV被害者の実態と支援
2、DV加害者の実態
3、DV加害者更生プログラム
悪いケースしか見ていないので、良いケースを想像できないが、希望を持てた。との感想をいただきました。
今回、5時間の研修でPowerPoint作成に多くの時間を費やしましたが、皆様の熱心な聞く姿勢に努力が報われた思いが致しました。たくさんの質問も頂き、充実した達成感の一杯の研修会となりました。
