https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201904/CK2019042002000260.html?fbclid=IwAR3oy3LmK_HEl9N1So8rR29fmiatX8gDce8LnxFonm92LLrauf6nAfS3NJ8

『ステップ卒業の書簡』
私は二度の離婚を経験しました、そのどちらも私のDV加害行為が原因でした。
DV加害行為は、その時の自分では考えが及ばないほど、周囲への影響が大きく、最も影響が大きいのはDV被害者であることは言うまでも有りません。
DV被害者は今後数年、もしくは数十年恐ろしい記憶と同居して生活していきます。脳はDV行為を受けると、物理的に変形してしまうと言われています。中には元に戻らなくなる人もいます。DV加害行為は一瞬で脳を変形させてしまいます。私は自分を生涯の伴侶として選んでくれた二人のパートナーに本当に申し訳なく思っています。可能であれば、元々パートナーや元パートナーの脳に残っているDV被害の恐ろしい記憶を超能力か何かで消去して変形した脳を元通りにしてほしい、といつも願っています。
ステップで学んだ「身に付けたい7つの習慣」を常に意識しながら生活することにより、私は3人目のパートナーと出会うことが出来ました。今はステップで学んだことを活かして生活しているので、私も(おそらく)パートナーも幸せに暮らしています。今では「あの時何で怒鳴ったりしたんだろう?」と過去の自分の感情を不思議に思えるようになりました。ごく稀に『あっ!以前と同じ出来事が訪れた。以前の自分はこのタイミングで怒鳴ったりしていたけど、今は怒り感情が出てこないな~』と、自分を客観的に見る事が出来るようになりました。それは怒り感情は、自分の思い通りに行かないときや、空腹や寝不足といった体調不良に代表される欲求充足が満たされない時に発生することをステップで学んだからです。私は怒り行動で物事を解決する方法しか知りませんでした。
「人間関係を壊す7つの習慣」に思考を転換するのは本当に簡単です。苦労しながらも常に「身に付けたい7つの習慣」を意識して対人関係を維持していくのが大切だと思います。DV加害行為の原因の一つに、パートナーへの依存が潜在しています。覚せい剤でもアルコールでもギャンブルでもニコチンでも、依存症になってしまったら自分で止める事は、まず不可能です。止めたくても止められない依存症から脱出するには、自己の強い意志、周囲からの理解、そして専門家の治療、と3つの力がどうしても必要です。
ステップではDV加害者が集まってグループ学習を通じながら、周囲からの理解と支援を得る事ができます。そして栗原理事長やスタッフの専門的な治療を受ける事ができます。あとは自己の強い意志だけです。ほんの少しの勇気を持ってステップに連絡してみてください。あなたの人生は劇的に変わります。DV被害を1日も早く根絶したい、とステップでは心から願っています。
自分の怒り感情がコントロールできない方、どうしてもパートナーを傷つけてしまう方、お気軽にご連絡ください。扉を開くのはあなたです。 (仮称Aさん)

ステップのDV加害者更生プログラムに52週参加された、N・Hさんから体験談を頂きましたので、
原文のままご紹介いたします。
52週終了後の体験談(振り返り)を発表します。
1.自己紹介
家族:妻と子供二人
現在:別居して約1 年半
ステップとの出会い:別居後に妻から紹介を受けて、学びを始める
2.私の認識の間違い、過去のDV
別居4ヶ月後(ステップで学び始めて3ヶ月後)にカップル面談を実施して、今までのDV行為を纏めて妻へ報告。しかし、妻が記憶しているDV行為がそこに入っていなく指摘される。自分ではDV行為だと分かっていなかったと気付きがあった。
(1)肉体的DV
大きな怪我にはなっていないが、叩く、押さえつける等の暴力を振っていた
(2)精神的DV
馬鹿やカスと罵る、激怒して相手を責めいた
(3)経済的DV
給与・貯蓄額を教えない、買いたいものを却下する、旅行にお金を使い過ぎる
3.願望、欲求の強さ・充足度、イメージ写真
ステップで学び始めてから妻から要望で願望、欲求の強さ・充足度、イメージ写真をお互いに確認しあった。妻の願望は「穏やかに過ごしたい」のみであったが、それをかなえる事は出来ていなかった。また、今まで自己中心的でその他については全く知ろうとしていなかった。良い人間関係を築く上で、お互いを知り合う事はとても大切だと感じた。
4.ステップの学び
私がステップで学んで、特に影響を受けた学びについて紹介します。
・ステップの目標:①いかにして怒りを無くすか、コントロールするか
②いかに大切にされていると思ってもらえるか、7つの習慣を使用する
・選択理論について:
①人間関係を破壊する7つの習慣、人間関係を良くする7つの習慣
②他人と過去は変えられない、未来と自分は変えられる
・自分を受け入れる、過去のDV
・怒りをしずめる魔法の言葉:
1. 良かった 2.ま~良いか 3.何でも有 4.相手は最善の選択をしている
・3つの質問:どうしたの? どうしたいの? どうしたらよいの?の活用
・上質世界の違い(願望)がある事を分かっているとよい
・変化の条件 1.変わりたい、2.効果的な情報提供、3.信頼、4.気付く、5.実践
・個の必要性:仕事、家庭、個が均等に入る
・執着と執念:執念は必要だが、執着は必要ない
・ラーニングピラミッド:
学習定着率:講義を受ける 5%、本を読む 10%、視覚的理解 20%、実演・実験 30%、
グループ討論 50%、自ら体験する 75%、人に教える・説明する 90%
・サ行(そうだね、さすが、それで、知らなかったよ、素晴らしいね等)を活用する
ダ行(だから、ダメ、どうせ、でも等)は使用しない
・アンガーマネジメント:どんな”べき(価値観)”を大切にしているか把握する
・変えられる事を変え、変えられない事を受け入れる勇気を持つ
・上質世界(願望)は、1.人、 2.物、 3.価値観 (〜あるべき)
出し入れ自由で、自分しか変えられない
・言語化する:過去→現在を図(絵)にする
・べき思考:違った価値観を怒りに変えるのではなく、違いを楽しむ。
5.振り返り
ステップで学んで、自分が変わったことを紹介します。
・人間関係を破壊する7つの習慣 → 人間関係を良くする7つの習慣
・他人は変えられる → 他人と過去は変えられない、未来と自分は変えられる
・考えの違いに対し怒り爆発 → 相手は最善の選択をしている
・質問はなし、結論を言う → 3つの質問を活用して、傾聴する
・話しを聞かない → 自分の作業を止めて、まずは傾聴から
・ダ行を使用 → サ行を活用する
・相手の願望を知らない → 違いを認識して、寄り添う
・違いは怒りへ → 違いを楽しむ
・変わろうとしていない → 変わりたいと行動する
・仕事優先 → 仕事、家庭、個を均等に
・たくさんのべきを持っていた → べきを手放して、相手に寄り添う
・違った価値観を怒りに変える → 違いを楽しむ
・自己啓発していなかった → 自己啓発する
・相手を支配する → 全ての人が対等
6.これからについて
・自分のべき(価値観)を外して、妻へ寄り添う。
・リフレーミング(相手は最善の選択をしている)で怒りを無くし、コントロールする。
・人間関係を良くする7つの習慣を使う。まずは傾聴。
・過去と他人は変えられない、自分と未来は変えられる。
・3つの質問を活用する。
・常に自然に対応出来る様に、選択理論を習慣化する。
5.ステップへの感謝
自分がここまで変われたのは、ステップでの学びがあったからです。
①自分で変わりたいと思う事、②ステップでの学びの場、③理事長、講師のサポート、信頼関係、
④グループ討論・振り返りによる気付き、⑤ロールプレイ、⑥実践、⑦人に教える、説明する。
私の体験談の後に、妻からも素晴らしい報告を聞く事が出来、感謝しています。
繰り返しになりますが、ありがとうございました。
N、H