ウガンダ国行政官向け研修会、報告

DV加害者更生は、地球規模の共通課題-アフリカ ウガンダ国 県行政官対象研修での講義

20181115日、JICA(国際協力機構)中部センターで、STEP理事長栗原さんとDV加害者で更生されたM氏が、ウガンダ国 県行政官9名(男性7名、女性2名)対象に日本のDV加害者更生プログラムについて講義を行いました。

日本政府開発援助を担うJICAは、世界各国で技術支援プロジェクトを実施しています。『ウガンダ国アチョリ・西ナイル地域コミュニティ・レジリエンス強化のための地方行政能力向上プロジェクト』は、紛争や隣国南スーダン内戦による難民流入などの影響による行政機能低下を改善するために地方行政による地域コミュニティ開発実施能力強化に取り組まれています。このプロジェクトの核となるコミュニティ開発官を対象とした日本での研修で、「社会的弱者支援に関する知見を広げる」目的の一環で、STEPDV対策特に加害者更生プログラムに関する講義を依頼されました。

講義は、最初に栗原さんが更生プログラムの内容、DVの原因、支援方針、選択理論、達成、課題に関してプレゼンテーションを行いました。栗原さんの巧みなファシリテーションにより、県行政官の皆さんは、積極的に質問され活発な意見交換がされました。ジェンダーバイアスでは、社会・文化背景が異なっても男はこうあるべき、女はこうあるべきと言うのは日本との共通項目が多く出ました。女性を殴ることが愛だと思っている男性が多いと言う発言があり、社会の暴力容認は根深くあるようでした。暴力の根本原因は、妻側にもあるのではないかと言う男性参加者からの質問があり、栗原さんは加害者の多くが自分は被害者だと最初は思っていて、自分がまず加害者だと認識することが更生のスタートであると説明されました。彼らが直面している実際の問題も上げられ、例えば隣人がDV被害者を助けようとしたら、逆に夫婦から暴力を受けたなど、DVの報告が難しく行政官として介入できない事が課題だそうです。

次にM氏によるDV加害者からの更生の経験談が話されました。真摯に自分の加害行動に向き合い、「相手を尊重し、自らを良く省みる」を指針に変化の為の努力をされている姿に参加者は深い感銘を受けていました。 M氏のDV背景に父親のDVによる影響があったと話された事から、DVによる子供の影響が大きいのはウガンダでも共通であり暴力の連鎖を止める事が大切である事が議論されました。ウガンダでは、DVによる離婚で被害者である妻は経済的に子供を養育できないので、加害者である父親が養育する事になり、日本の被害者支援・生活保護制度などへの質問が出ました。M氏は、STEPに通い始めたのは、栗原さんが自分の事を傾聴して下さった事が大きいと話され、県行政官の方々へ「何よりDV被害者・加害者の話を良く聞く事が大切です」と話されたメッセージは、胸に刻まれたと思います。

DV
の現状は、日本とウガンダでも共通課題があり、県行政官の皆さんは、STEPの加害者更生による暴力を減らす社会への取り組みから多くの学びを得て、ウガンダでDV対策に活かしたいと感謝を述べられました。日本での取り組みが、地球規模のDV対策に繋がっていると実感した一日でした。



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by npo-step | 2018-12-06 06:38 |  これまでの活動