2009年 03月 02日
神奈川新聞に掲載されましたこれからの支援の参考にしてください。
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「DVに耐えかね…殺人未遂の妻に猶予付き判決/横浜地裁/被害者の夫も被告かばう異例の公判」
家庭内暴力(DV)に耐えかねて夫(39)を包丁で刺したとして殺人未遂罪に問われた相模原市横山四丁目、無職の女(39)の判決公判が二十六日、横浜地裁であった。
大島隆明裁判長は「直情的で無分別な犯行だが、夫の日ごろからの暴力が与えた影響は大きい」として、懲役三年、執行猶予五年(求刑懲役五年)を言い渡した。
判決などによると、同被告の借金を問いただすために始まった夫の暴力が、やがて常態化。
昨年九月、約一時間にわたって加えられた暴行が長男にまで及んだため、同被告は台所から持ち出した包丁で夫の背中などを刺した。
捜査段階では素直に犯行を認めていた同被告だが、公判では一転し、殺意や刺突行為を否認。
さらに、夫も「包丁を取りあげようとして自分で腹を傷付けてしまった」と証言。
「すべて私が悪かった」などと述べ、被害者の夫が徹底して加害者の妻をかばうという、異例の公判となった。
家庭内で行われることが多いDVは、顕在化しにくいと同時に、被害立証も難しい。
中期DVシェルターを運営するNPO法人・女性人権支援センター「ステップ」の理事長は「殴った後にやさしくすることが繰り返され、長期化につながることがある。公になることを嫌がり、警察ざたになっても内密にしようとするケースもよくある。
本当にDVをなくしたいのなら、暴力であることを互いに認識しなければいけない」と指摘する。
傷の深さや方向などから殺意を認定した大島裁判長は、法廷での”夫婦愛”に対して「家族内のかっとうに、きちんと向き合わないと、再び事件を起こす危険がないともいえない。
被告の態度は将来に若干、不安を残す」と苦言を呈した。
DV事件の難しさがあらわになった法廷。裁判長は最後に「お子さんの協力を得て、温かい家庭を作っていってください」と被告を説諭した。
神奈川新聞、2月27日 朝刊より抜粋
(神奈川新聞社・掲載許可済)
by npo-step
| 2009-03-02 20:45
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