ステップには取材や問い合わせが色々来ます。
昨年DV関連のドラマ制作の協力が来ました。
そこでDV被害者の人と一緒に取材に応じました。
出来上がったドラマの第一話が、1月14日(木)から放映されましたので見たら、DV被害者が語った内容が放送されていました。気に入らないことが起きると瞬間湯沸かし器の様にDVを振るう、その後謝り、優しくなって、もう二度と行わないと約束しても、又DVを行う、DVのスパイラル。被害者が苦悩している内容そのものでした。
DV加害者の人たちも見られたようで「過去の自分の姿とダブる、負わせてしまった妻の深い傷が癒えるように一生償って行きたい」と語ってました。
第二話は1月21日夜放送されます。どのような展開になるのでしょうね。

今回のドラマとステップではDVについての考え方が基本的に違う処が有ります。それは「DVは絶対治らない、殺すしかない」の部分です。

 フジテレビ 毎週木曜日 午後10時~「ナオミとカナコ」
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by npo-step | 2016-01-21 15:26 |  これまでの活動

28年1月13日 ステップのDV加害者更生プログラムに、52週に通い続けたMMさんが参加者の皆さんの前で、体験談を語りました。その時の内容を手記として頂きましたので、原文のまま紹介いたします。

 【STEP 52週を終えての振り返り】 M・M
2014年1月、娘の4歳の誕生日に元妻Yさんが娘を連れて家から忽然と居なくなりました。
原因は私のDVによるものです。

私は父から引き継いだ子会社の代表になって以来、Yさんに仕事を手伝って貰っていました。
前日に胸にしこりがあるので、明日健康診断に行くと言ったYさんは午前中に会社を出た切り退社時刻になっても戻らず、携帯の電源も入っておらず心配になった私は娘の保育園に迎かえが遅れる電話を入れました。
ところが、娘は昼過ぎにYさんが迎えに来ているとの事。
急いで、私が帰宅するとダイニングテーブルの明かりだけが点いており、テーブルの上に「暴力と暴言を繰り返す人とは一緒に生活出来ません。今後は調停で話し合いましょう。」
と書かれたメモ、預金通帳、退職届(一緒に働いていたので)などがまとめて置いてありました。
それを見てまず私が思ったのは、どうせ直ぐ戻って来るという安易な気持ちでした。
ところが、クローゼットは空っぽで靴もなく、娘のおもちゃ、Yさんの日用品の一切が無くなっていました。
私には、Yさんと娘とは今後、会う事が出来ないという現実が待っていました。

私がDVを自覚したのは結婚してYさんに暴力、暴言行為をし、Yさんから私のしている行為はDVだと言われた時からです。
Yさんとは2006年に出会い、2007年に結婚しました。
デートDVは交際期間中も何度かあり、結婚して1年位から暴力は月1、暴言は頻繁に出るようになりました。
喧嘩の原因は私の想い通りにならなかったり、期待していた事と違う事や言葉がYさんから出た時に、例えば出かける予定が変更になったり、仕事でやれといった事をやっていなかったりした場合、口喧嘩がエスカレートし、物を投げつける、時にはお互い殴り合いのケンカになるといった感じでした。
その頃、新居を構えた辺りから私は、外出すると人の目が異様に気になりだし、すれ違う人、運転中など人と目が合うと自分がなめられているように感じて嫌悪感、怒りを覚えるようになりました。

結婚1年目に私のDVに耐えかねてYさんが「離婚したい」と言われた時に「もう1度やり直したい」と懇願して2人で2か月ほどカウンセリングに通った事もありました。
一時は収まったように思えたDVは半年、1年と徐々にぶり返してきて、2011年に娘が誕生しても続きました。
娘を妊娠中にも暴力を振るった事もあります。
娘の見ている前で暴力、暴言をした事もあります。
2012年、事務所を引越ししたのを機に、娘を保育園に預け、Yさんが私の会社の経理を手伝ってくれるようになりました。
それから更にDVは酷くなり、Yさんが仕事でミスをして、自分の気に入らない事があるとYさんを暴言で責め立て、仕事中、終業して一緒に帰宅するまでずっと暴言を言い続けました。
始めは言い返していた妻も、徐々に無口になり反論しなくなりました。
休日も家にいる事が多くなり、子供を連れて公園に遊びに行く事も減りました。
私は自分の欲求を満たす為、私利私欲に没頭しました。
その内自身のカードも使い果たし、会社の資金にまで手を付けるようになりました。
私は自分の犯した責任から逃れ、Yさんに全てを押し付けました。
後で聞いた話では、私のDVとこの頃貯金もなく、娘を育てていく事の経済的不安でこの人とは暮らしていけないと思っていたそうです。
話し合いが出来ず、聞いて貰えなくて反論も出来なかったとも言っていたそうです。

Yさんと娘が居なくなって、どうしたら2人ともう1度復縁して同居できるかをひたすら考えました。
その為には自分は変わらなくてはいけない、自分のDVを直さなくてはいけないと思い、居なくなって2日後からDV更生のカウンセリングをネットで調べSTEPに連絡しました。

STEPに来て直ぐに学びの基本である
1、過去と他人は変えられない、未来と自分は変える事ができる。
2、全ての感情は自らが選択している
を教えて頂きました。
STEPに通い始めの頃は、グループセラピーが初めてで参加者が自分の本心、本音をさらけ出していて、自分もそれをしなくてはならない事に慣れるまで少し時間が掛かりましたが徐々にSTEPで自分の想いや感情を素直に言葉に出せるようになってきました。
今まではYさんや友人、両親には自分の感情や心情を言葉にする事はなく、言わない方が楽だし人間関係を壊さないと思っていました。
自分の事は自分で解決する「べき」と固執していました。
でも、それは間違いで誰かに聞いてもらう事が大事で、その感情をYさんと共有出来れば良かったと思っています。

この頃意識していた課題は
「人の目が気になる」「常に誰かに見られている気が(運転中でも)して、人と目が合うと怒りを感じる」事。
それに対して、気にしない様にする事よりも、人を好きになりたかったので、その1歩として人に対して「感謝」する事で「ありがとう」と感謝の気持ちを口に出す事を徹底しました。
休日にはなるべく人込みがある場所へ出かけて、歩く、青空市場などに出掛けて店員さんと話し拘りの商品の話しを聞く、映画を観に行く。
自分を満たす事に徹底しまし、内向的から外交的に変わる事を心掛けました。
お風呂で口に出して「俺は大丈夫」「人に感謝する」「俺は運がいい」を繰り返し言う事で「前向き」「ポジティブ」になれました。
又、想定外の事などが起きて怒りが出そうになった時は「良かった」「ま、いいか」を習慣づけるようにしました。

そんな中、離婚調停はより現実味を増すばかりでした。
それでも、感謝の気持ちは忘れずに特にYさんへの感謝(自分がDV加害者である事を気づかせてくれた事、STEPに通うきっかけを作ってくれた事)は絶対に忘れないようにしました。
思考を変える事によって怒りが無くなるのを見込んで、毎日繰り返しました。
自分の場合、思考を変えたいと思ったら即実践してみる方法をして、実践しながら失敗に気付き、効果がでるかの判断をしました。
特に「ありがとう」と感謝の言葉を口にする事で、良い事が沢山ある事に気づきました。
人から何かをして頂いた時に「すみません」ではなく「ありがとう」は万能薬だと思っています。
それを実践する事で自分の心も満たされました。

6月に入り、Yさんの弁護士から通知が来ました。
離婚調停についての話しと、慰謝料、養育費の話しでした。
弁護士にもYさんの離婚の意志を確認したところ「離婚の意志は固く、今後一切私と関わりたくないと言っていた。」
又、PTSDを患い通院をしている事も聞きました。
半年の歳月が過ぎて、私はSTEPに通っている中、私がYさんに与えた傷の深さ、お恥ずかしい話、自分が思っていた以上にYさんの傷は深いのだとその時知りました。
調停をしてまでも離婚したくない、Yさんと直接話がしたいという自分中心の考えがYさんを苦しめると思った私は、今Yさんにとって1番の幸せは私と離れている事であり、私と離婚する事でYさんが提示した慰謝料、養育費を支払う事だと考え、離婚の申し立てを受け、協議離婚をしました。
Yさんに会えない時間があったからこそ、よりYさんの気持ちを汲み取る事が出来たのではないかと思っています。
会いたい時に会うのを我慢するのも愛情なのかなと今では思えます。
その後、娘との面会交流の手続きを経て、12月に娘と会える事が出来ました。
約1年ぶりに、成長した娘に会う事が出来て、本当に嬉しかったです。

私は始めの希望通りに同居は出来なくて、残念ながら離婚となりました。
私はYさんに対して、私の好みや価値観を絶対視して貰う「権利」だと思ってYさんを支配し人間性を破壊しました。
それでも何とか家族の為、娘の為、会社の為修復しようと努力してくれた事を全て無視し、離婚を決意して出て行くまでのYさんのサインに気付かず、Yさんとの関係を修復する事が出来ませんでした。
ですから、同居、別居していながら奥様やお子様と連絡が取りあえて、会えている方、どうか大切なパートナーのサインに気付いて下さい。
未然に防ぐには、大切なパートナーの気持ちに寄り添い、感謝の気持ち、愛情を声に出して「一緒にいてくれてありがとう」とか、恥ずかしくても「大好きだよ」とか声をかける事が大事だと思います。最近ではめったに使われなくなった「愛しているよ」とかは、最高だと思います。
離婚の際、支払う慰謝料、養育費に比べたらこの言葉は無料で、しかも関係が修復できるかもしれないからです。

後、「相手の立場にたつ」「相手の幸せを考える」STEPで学んだ「傾聴」「受容」する事で、私の「離婚したくない」「もう一度同居したい」という執着を無くす事が出来ました。
それを学べなかったらきっと私は今でもYさんと娘を苦しめていたと思います。
娘に会わせるのが当たり前だと思っていたかもしれません。
私がここSTEPで1年間学んだ事は、生きていく上で大切な礎となり、これから更に学び、実践できる事を光栄に思います。
又別な形で家族の絆が取り戻せるよう、こらからもSTEPで学び続けたいと思っています。

最後に私を応援し、励まし、見守って沢山の勉強をして学ばせて頂いたここSTEP、栗原理事長、石井さん、スタッフの皆さまに心から感謝したいのと、STEPに参加されていた先輩方や現在参加されている皆さまには本当に励まされました。
本当にありがとうございます。
参加者の方からは「ここに来れば絶対変われるから!」「お互い頑張りましょう!」と声をかけて頂き、
時には厳しい意見も頂いたりしました。
STEPは本気で変わりたいと決意した人だけが変わる事ができるところだと思っています。
皆様其々のアプローチで必死に頑張っている姿を拝見させて頂き、私もまだまだ甘いなと気づかせて頂く場面が何度もあります。
自分を変えるには永い時間がかかり、我慢し辛い想いも沢山しなくてはいけませんが、自分のせいで失ったパートナーとの絆をもう1度取り戻す為に、これからも皆様と一緒に頑張って行きたいと思っていますので、宜しくお願い致します。
又、このHPをご覧になられているDV加害者の方、「ここSTEPで一緒に頑張りましょう!」

Yさんと娘には1生を掛けて謝罪をしなくてはいけないと思っています。
破たんした結婚生活で大事な人生を私のせいで辛く悲しい深い心の傷を負わせてしまい、本当に申し訳ございませんでした。
そして、こんな最低な私に沢山の事を気づかせてくれたYさんに、心から感謝したいと思います。
本当にありがとうございます。
                             M.M
by npo-step | 2016-01-14 22:16 |   参加者・体験談、ほか