別居から同居へ、妻・Aさんの体験談、

 別居中のご夫婦が、ステップに見え、3回のプログラムに参加した後同居になりました。ご夫婦から手記を頂きましたので、妻・Aさんの手記を原文のままご紹介いたします。

結婚して11年、日常的ではないにしろ喧嘩をしたり、夫からのDVを受けていました。都度、夫は反省していましたが、ここ数か月、夫の態度はエスカレートし、話が通じなくなった事(すべて悪いのは、私であり、夫に非はない。という思考)、公共のDV相談で言われた「DVを見て育った子は、脳が傷ついてDVを繰り返す大人になる」という一言が家を出る大きなきっかけとなりました。

三歳の子供と共に、実家に身を寄せ、複数の公共機関にも相談をしましたが、「DVは治らない。」「今度、家に戻ったら、もっと酷くなる。経済DVが始まる。」「もしも治るとしたら奇跡だ。」「状況が許すのであれば、離婚を勧める。」等のアドバイスばかりでした。
私自身、「子供に将来、夫と同じ道を歩ませたくない。離婚しかない。」という気持ちで一杯でした。

家に戻って欲しい夫と、離婚したい私。お互いの気持ちが平行線を辿る中で、夫から「更生プログラムへ通う。」との連絡がありました。当時、離婚の意思が固かったので、「通うのは、いいと思う。あなたの人生にプラスになるはずだから。」という思いしかありませんでした。そんな中で、私の気持ちに変化をもたらしたのは、夫から送られてきたステップさんの毎日新聞の記事「SOS・なくせストーカー:再被害防ぐ更生プログラム 加害者8割、脱DV 暴力容認の価値観変える」というものでした。

もし、本当に夫が真剣に取り組んで治るのだとしたら…今、すぐに離婚という判断をするのは、子供にとって、私達家族にとっていい判断と言えるのだろうか、と考えるようになりました。
ただ、8割が治ると言っても、ただ単に暴力を振るわないというのでは、意味がない。“治る”の定義はいったいどういうことか、また、治らない2割の人はなぜ、治らないのか、治ったと言われる人は、本当に定着するのか…という疑問をステップさんに電話して尋ねました。
すると、考え方自体を変える事(選択理論の考え方)や、取組み等について丁寧に教えて頂きました。と同時に、同じようなプログラムを行っている他の団体にも「プログラムに参加することでDVは治るのか?」と質問をしてみましたが、具体的に数値を持って、結果を語って下さったのはステップさんだけでした。

夫のこれまでにない真剣な様子、また、加害者を非難するのではなく、改善に向けて前向きなステップさんの取り組みを一度信じてみよう。という思いに至りました。
同時に、いつの間にか「夫を思いやる、気遣う」ということから、「顔色を窺う」に変化してしまった私自身も変わる必要があると考えました。せっかく夫がいい方向に変わろうとしても、私自身が顔色を窺う事を止めない限り、また元に戻ってしまう。お互い対等にコミュニケーションを取れるようにならないと、夫婦としての関係性を健全に保てないと思ったからです。

先週カップル面談を受けました。その中で栗原先生に「あなたは夫のした事を許せますか?」と訊かれました。これまで私が受けた理不尽なDVを思い出すと、一生、許せないと思います。また、私だけでなく、DV被害者によく言われる「自分が(も)悪いから、こうなるんだ」と苦しんだり、周囲から理解を得られず苦しむといった経験は、忘れられないと思います。

しかし、夫が変わろうと真剣に取り組んでくれた事に心から感謝しています。また、夫自身が本来持っている良い面には変わりはないので、悪い事ではなく、お互いの為に、未来の為に、良い面に目を向けて行きたいです。

私が家を出てから1ヶ月半、そこから再度、同居をし始めて2週間、夫は本当に変わりました。無理をせず、彼自身の本来の良い面が全面に出ているといった印象です。
再同居を始めて、いざこざがなかった訳ではありません。しかし、以前とは違い、きちんとお互い向き合って話し合い、解決しています。

今回、私たち夫婦の事で、双方の親、私達の子供にも心配をかけました。あの時、あんな事があったけど、より幸せになれてよかったね。雨降って地、固まるだね。と安心してもらえるよう、新たな夫婦関係、家族関係を築いていきたいと思っています。そして、ゆくゆくは、子供が「お父さんとお母さんのような夫婦になりたい!」と思ってくれるような関係を築くことが、今の私の希望です。
                           妻・Aさん
by npo-step | 2015-05-15 18:04 |   参加者・体験談、ほか