「どうしたら抜け出せるのか…」DV加害者更生プログラム

10月7日、産経新聞・神奈川版に掲載された「DV加害者更生プログラム」の記事が、
Yahoo!ニュースのトピックスに掲載されていましたので紹介致します。
この内容はYahoo!のトップ記事扱いでした。社会からの期待が大きいことを物語っていると思います。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131007-00000538-san-soci

「どうしたら抜け出せるのか…」DV加害者更生プログラム
産経新聞 10月7日(月)16時0分配信

 「何で自分はこういうことをしてしまうのか。どうしたらここから抜け出せるのか」-。DV(配偶者・恋人からの暴力)被害の根絶に向け、NPO法人「女性・人権支援センター ステップ」(横浜市)が加害者の側の意識変革に取り組んでいる。加害者の中には、自分の行為に悩み、あらゆる療法を試したりお祓(はら)いに行ったりするケースもあるといい、それぞれが抱える苦悩も千差万別だ。

 横浜市内のマンションの一室。中立的立場の女性ファシリテーターが被害者の思いや気持ちを代弁しつつ、受講する加害者が意見交換を行う。米カリフォルニア州認定の加害者プログラムと選択理論心理学を用い、加害者が不健全な価値観や考え方に気づき、行動を変えていくための「DV加害者更生プログラム」で、ステップが平成23年から始めた。

 ファシリテーターを務める栗原加代美さん(67)は、「多くのところで『DV加害者は変わらない』といわれるが、それは感情や生理反応を変えようとするから」と指摘する。加害者の多くは認められたいなどの欲求を配偶者や恋人が満たすべきと考えがちで、「認めてほしいのに妻が反論する。そこで『カッ』となって暴力をふるう」。

 そこで、プログラムでは、自分の行動は自分の選択の結果であるという考え方を教える。「『配偶者のせいで暴力をふるった』というが、暴力をふるうのはあなたの選択の結果なのだと」。行為や考え方は変えることができるという。

 また、DV加害者の多くは、相手が自分を100%分かってくれると期待し、理想と現実とのギャップに怒り、苦しむ。しかし、栗原さんは「他人は変えられない」と伝える。

 プログラムを重ねていくことで、加害者は自然と相手を尊重できるようになるという。受講は原則1年だが、本当の卒業は被害者が「尊重してもらえている」と思えるとき。これまでに10組の夫婦が卒業した。

 受講者の40代の男性は仕事のストレスなどから、けんかの際に大きな声で妻を威嚇したり、壁を殴り穴を開けたりするようになった。「自分が死ねばいい」-。行動をコントロールできず、包丁を自分の腹に突きつけたこともあった。しかし、その行為がDVであるという自覚はなかった。そんなある日、妻から「離婚する」といわれ、プログラムに通うようになった。

 通い始めて1年2カ月。「自分の求めている世界観が伝わらず、正当化した」と当時を振り返る。離婚をしたくないと通い始めたが、今では「妻の意見を尊重したい」と考えている。

 栗原さんは「DVは力と支配の構図。その構図は社会の中にもいっぱいあり、皆そこから学んでくる」と話し、「社会全体でこの問題に取り組まないと、民間団体が細々とやってるだけでは変わらない」と力を込めた。(小林佳恵)

 ■DV(ドメスティックバイオレンス)

 配偶者や恋人からの暴力。身体的な暴力だけでなく、心に有害な影響を及ぼす言動も含まれる。平成13年、夫などの暴力からの保護を目的にDV防止法が施行され、裁判所が接近禁止や住居退去を含む保護命令を出せるようになった。恋人間の暴力「デートDV」に対応するため、26年1月に施行される改正法では、現在は事実婚を含む配偶者と元配偶者の暴力に限っている対象を「生活の本拠を共にする交際相手からの暴力」に拡大する。

 神奈川県警では、同県伊勢原市で女性が元夫に刃物で切りつけられた事件を受け、7月12日にDVやストーカーなどへの対応を強化するため、「人身安全事態対処プロジェクト」を発足させた。8月末までの認知件数1258件のうち、DVは最多の507件となっている。

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by npo-step | 2013-10-07 23:37 |   メディア・掲載、紹介