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DV加害者更正プログラムに訪れてみてください

                 DVファシリテーター・栗原加代美
 
はじめに
ステップは、2011年4月から被害者支援の一環として、神奈川県初のDV加害者更生プログラムをはじめました。
現在男女併せて約40名の方々が毎週二時間ずつ、1年契約で学んでいます。
また、DV加害者のパートナーである被害者も、月に2回学んでいます。

DV加害者更生プログラムを立ち上げた理由
ステップでは、DVホットラインによる全国からの電話相談を行っています。
寄せられるDV被害者からの相談で、
「夫から暴力をふるわれていますが私はどうしたらよいでしょうか?」
との質問をいただきますが、答は逃げるか我慢するかの二者択一しかありませんでした。

そこに、もう一つの選択肢を付け加えたいと思ったのです。
それは、加害者に変わってもらうという考え方です。

シェルター等でDV被害に遭った人たちを保護しても、加害者は野放し状態です。
残念ながら、日本のDV法ではアメリカのように逮捕に至りません。
加害者となったパートナーがDVをやめれば、せっかく築き上げてきた大切な家庭を失わなくてよいのです。
そして、被害者たちもDVによって失った自分らしさや自信を、もう一度、パートナーの協力を得てとり戻して生き直せるのです。

「被害者の実体を知っている」ということは、加害者更生に関わるための、ひとつの条件に入るかもしれません。その意味においてこの働きは10年間、シェルター運営を行ってきたステップに課せられた使命であるのかもしれません。


加害者の変化
たとえば、妻に逃げられ、あるいは離婚をつきつけられて、危機的状況の中でステップを訪れたDV加害者たち。
そこで見せるかれらの状況は意外なものでした。

ほとんどの加害者は父親から虐待を受けていました。育った家庭のなかでは、父親は家族に自分の主張を伝える手段が暴力だったのです。そんな環境で育ち、妻の行動が気にいらない時、暴力以外に妻に自分の気持ちを伝える方法を知らずに家庭を持ってしまったというのです。暴力以外に自分を伝える方法を教えて下さいと泣き崩れるのです。

ステップを訪れた当初は、「自分だけでなく妻も悪い」と、なかなかDVに気付かない加害者がほとんどですが、彼らも3ヶ月ほどすると自分がDV加害者だと新たな気付きが始まります。
そこからDVの原因である歪んだ価値観を正しい価値観への張り替が始まります。


加害者の変化の事例
《事例 1》
家出した妻と子供が、すっかりDV、ギャンブル、酒をやめた夫の元に6カ月ぶりに家に戻り、夢のような暖かな家庭を築き始めました。
夫はDVをやめたばかりでなく、豊かな人間に成長し、妻も夫をモデルとして豊かな人間になる事を願い、本など読んで、努力しております。
小4と小1の子供たちも安全な家庭環境で成績が上がったそうです。

《事例 2》
別のカップルの場合、同居中は、夫は気に入らない事が有る毎に不機嫌をまき散らしたり、怒鳴る、手を挙げる事が多く有りました。
夫婦でステップに来て6ヶ月、今では夫は全くDVがなくなりました。
妻は、言いたいことが言えるようになり、離婚の思いが無くなりました。
不満をため込む前に話し合う事が出来る様になり、円満な家庭に戻りました。

最後にお願い
DVで悩んでいる加害者の方は、ぜひステップのDV加害者更生プログラムを訪れてみてください。
愛する人を失う前に、自身を見つめてみませんか。
お待ちしています。

追伸
現在、DV加害者更生プログラムを、毎週・
土曜日・午後1時~、(事務所)  午後4時~、(オンライン・ZOOM)
日曜日・午後1時~、(事務所)  午後4時~、(オンライン・ZOOM) 
水曜日・午後1時~ (事務所)  
同じ内容で5回行ってます。

DV加害者更生プログラム専用窓口     080-5530-8047(専用)

NPO法人ステップは、神奈川県・横浜市内で
DV加害者更生プログラム活動を行っている非営利団体です。



by npo-step | 2012-12-11 01:04 |   プログラム はじめに